2015年5月25日月曜日

クレジットカードによる海外キャッシングに関する諸考察

過去記事「フィリピンでATMキャッシングのトラブルに遭いました」と「貸金業法違反でセディナカードと戦うことにした」の続きになります。

クレジットカード会社は海外キャッシングで稼ぐことはほとんどできなくなっています。それは2010年6月18日の改正貸金業法の完全施行によってATM手数料までがんじがらめにされて、為替取引に手数料などと称して利益を上乗せすることもできず、15~20%を上限とする金利だけで稼ぐしかないからです。これで繰り上げ返済されたらクレジットカード会社は完全に赤字になってしまうでしょうね。


そういう事情もあって、改正貸金業法の施行後海外キャッシングを止めるクレジットカードが相次ぎました。金利が下がってキャッシングはうまみがないサービスになってしまったようで、2012年6月30日には利益にめざといアメリカン・エキスプレスカードが国内・海外のキャッシングを完全に中止してしまいました。そして、クレジットカード会社が昨今力を入れているのはキャッシングではなくリボ払いです。

さて、海外でATMを使うと画面に現地通貨で手数料を請求すると表示されることがありますが、私たちにはこれを払う必要などありません。海外のATM手数料はたいてい日本の貸金業法によって定められた金額よりも高いので、それを契約者に請求することができなくなっているからです。それでも、請求してきたならばほとんどのケースで法定の上限金利を超えてしまうので、クレジットカード会社は行政処分あるいは刑事罰を受けることになると思います。

それゆえに、クレジットカード会社が海外のATM手数料を請求する場合でも、例えばセゾンカードはこのATM手数料を請求額から差し引いて、それに法令に定められた手数料(1万円までは108円、1万円超は216円)を上乗せして請求しているようです。

クレジットカードを使って海外でキャッシングしたときには、現地のATM手数料が上乗せされていないかよくよくチェックした方がいいです。上乗せされているようならクレジットカード会社に電話して貸金業法違反であると訴えるべきでしょう。そういうときのためにも海外のATMでキャッシングをするときは証拠となるレシートを取り出すのを忘れないようにしたいです。レシートが出ないATMもあるので、私は画面を逐一デジカメで撮影しておこうと思っています。

海外旅行者にとってクレジットカードキャッシングの恩恵はとても大きく、シティバンクや新生銀行などのキャッシュカードやプリペイド式のキャッシュカードを使う意味はほとんどなくなっていると言えるでしょう。そういうカードは貸金業法の規制がかからないので手数料も取り放題ですね。

未だにこういうぼったくりカードを推奨しているインターネットサイトがたくさんありますが、そんなカードを使って多額の手数料を払うよりも、ATM手数料を徴収しないセディナカード、MUFGカード、JCBカードなどのクレジットカードを海外旅行では使った方がいいです。クレジットカード会社がちょっとかわいそうな気もしますが、繰り上げ返済をすれば金利もほとんどかかりません。


しかし、海外ATMでのキャッシングは過大な請求が来るなどのトラブルが起こったときに非常に面倒なことになります。セディナカードは帰国前でもペイジー返済ができて便利ですが、トラブル時のことを考えるなら銀行系のMUFGカードやJCBカードを使った方がいいのかなと思うようになりました。MUFGカードやJCBカードで海外から繰り上げ返済するときはペイジーのような便利なツールはないのですが、Skypeで通話すればほとんど通信コストもかかりません。電話した後は振込手数料のかからないインターネット銀行を使ってクレジットカード会社の指定口座へ入金するだけです。

海外ATMのトラブルを避けるためには、やはり両替の方がいいということになります。タイ、フィリピンをはじめとする東南アジアの国々には日本円からの両替レートが異常にいい両替所(タイのスーパーリッチ1965本店、SIAM EXCHANGEやフィリピンのEDZEN、NIKKOなど)があるので、そういうところを使うのが鉄板でしょうね。いつかそういう海外の優良両替所の情報をまとめたいと思っています。

追記 この記事は「フィリピンのATMキャッシングのトラブルについてセディナカードから回答が来ました」に続きます。

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